論文解説

多施設研究でのウエスト腹囲減少検査について

【Journal of Cosmetic Dermatology】2018 Oct;17(5):783-787.掲載
題名Safety and efficacy of a novel high-intensity focused electromagnetic technology device for noninvasive abdominal body shaping.
著者Carolyn I. Jacob MD、 Katya Paskova MD
エムスカルプトの安全性と有効性を調査 1回30分、2~3日間隔で、合計4回治療

論文の主旨

エムスカルプトの安全性と有効性を調査し、発表されています。

22名の患者さん(平均BMI値23.8)に対して、エムスカルプトの腹部治療を1回30分、2~3日間隔で、合計4回行い、治療前、治療後、3ヶ月後に写真撮影、体重、腹囲の測定と患者満足度調査を行いました。

結果

19名に完了
腹囲の平均減少は治療後に3.29±1.9cm、3ヶ月後には4.37±2.63cm(P<0.01)です。
患者さんの評価として、91% の患者さんは、腹部の見た目が改善し、92%の患者さんは治療から3ヶ月後の結果に満足していると述べています。
安全性に関しては、有害事象発生しなかったと報告されています

論文のデータ

腹囲の平均サイズの変化を表したグラフです。
左がベースライン(治療前)
真ん中が4回治療後
右が治療終了後3ヶ月後です。
腹囲は、治療後に3.29±1.9cm、3ヶ月後には4.37±2.63cm減少しています。

各患者さんの結果です。19名のうち、16名の腹囲減少は、治療後3ヶ月には2.5cmを超えています。また、これらの結果は体重変化とは無関係でした。
腹囲減少は、治療前のBMI値とは無関係で、全ての測定を通して、患者さんの体重に有意な変化はありませんでした。

論文の症例写真

2名の患者さんの症例が掲載されています。結果の良かった2名ではなく、平均的な結果の2名です。

論文に掲載されている症例です。
上が治療前、下が最終治療後から3ヶ月後です。
年齢30歳、BMI18.9、腹囲はマイナス3センチ(−4.0%)、体重変化なし

同じく、論文に掲載されている症例写真です。
上が治療前、下が最終治療後から3ヶ月後です。
年齢33歳、BMI25.2、腹囲はマイナス7センチ(−7.7%)、体重変化-1.8kg(-2.2%)

論文の結論

この論文では、

「観測された腹囲の減少および美的改善は、脂肪減少および腹壁の筋肉量増加の組み合わせとみられる。BMI値の低い患者において、この増加した腹部筋肉は、 腹部改善に対して大きく関連していた。この新エネルギー装置は低~中BMI値の患者に対し、ボディコントアリングの追加的方法を提供している。」

とまとめられています。

まとめ

エムスカルプトについての論文を1つ紹介しました。

体重の有意な変化がなく、平均で4.4センチの腹囲減少という効果が出ており、安全性にも問題なかったとのことです。

エムスカルプトの効果についてお分り頂けたかと思います。